- 横浜美術館について
- 正面入口に「大しかく看板」とオープンスペースを設置
- グランドギャラリーの天井がガラス張りに
- 無料で過ごせる「じゆうエリア」
- 新設された2つのギャラリーは無料で観覧OK
- 美術情報センターが「美術図書室」に
- 横浜の特色ある商品をそろえたミュージアムショップ「MYNATE」
- 新たな館内カフェでは「馬車道十番館」のケーキが味わえる!
- 蔵屋館長「無限の可能性を持つ子どもたちに“何か”に出会うチャンスを」
横浜美術館が全館オープン「もっと気軽に美術館へ」無料で楽しめるエリアが拡張【現地リポ】

横浜美術館について

建築家の丹下健三が設計した、横浜美術館
建物の設計を担当したのは建築家の丹下健三です。迫力のあるシンメトリーな外観と、吹き抜けが開放的なグランドギャラリーが特徴的。国際的な港町、横浜にふさわしい美術館として、1万4000点超の作品を収蔵(2024年3月時点)し、開港以降の近・現代美術を幅広く鑑賞することができます。

約3年の大改修を経て、全館オープンとなった
2020年4月に6代目横浜美術館館長に就任した蔵屋美香さんは、「横浜美術館は、展示室は意外に狭く、フリースペースの方が大きいという特殊なつくりになっています。その意図を探ると、都市計画と一体となって美術館が建てられた経緯から、美術館の前の広場と中のスペースを1つのものとして自由に使ってもらえるように、という丹下さんらの思いが込められていることが分かりました。その思いをより“見える化”したのが『じゆうエリア』です」と、改修の意図を説明しています。
より市民にひらかれた「じゆうエリア」を中心に、生まれ変わった横浜美術館を紹介します。
正面入口に「大しかく看板」とオープンスペースを設置

入口(公園口側)横に「大しかく看板」が新設

美術の広場に面したオープンスペースにオリジナルのテーブルや椅子が設置された
什器やサインに使われているピンク色は、柱などに見られる御影石の中のさまざまなピンク色を抽出したものです。
グランドギャラリーの天井がガラス張りに

ガラス張りの開閉式ルーバーからやわらかい自然光が差し込む
今回の大改修ではこの開閉式ルーバーが修理され、スムーズに開閉できるようになりました。当初の構想でもある、季節や時間によって天井からやわらかい自然光がふりそそぐ大空間を感じられます。

グランドギャラリーにエレベーターを新設
無料で過ごせる「じゆうエリア」

無料で過ごせるスペースは「じゆうエリア」という名前に

「まるまるラウンジ」は併設するカフェの飲み物の持ち込みOK

3階展示室前のホワイエも「じゆうエリア」に

子どもと一緒に楽しめる「くつぬぎスポット」
グランドギャラリーの大階段エリアでは、左右対称にひろがる階段の踊り場のかたちに着目。横浜美術館の建物のあちこちに見られる「まる」と「しかく」を隠しテーマにした彫刻作品が展示されていますので、ご覧あれ。
新設された2つのギャラリーは無料で観覧OK

ギャラリー8「ひっくり返す・ひっくり返る」展示風景

ギャラリー9「ガラスとひかり」展示風景
美術情報センターが「美術図書室」に

誰でも利用できる「美術図書室」
明るい光が入り込むスペースには、24万冊を超える国内外の展覧会カタログや専門書、雑誌と映像資料が所蔵されています。9割が書庫にあるため、調べて出してもらってください、とのことです。
横浜の特色ある商品をそろえたミュージアムショップ「MYNATE」

ミュージアムショップ「MYNATE(ミナト)」
横浜美術館のオリジナルグッズやアートにまつわるグッズだけでなく、横浜市内で活躍する作家や企業、クリエーターの商品、地域色に富んだ商品もそろうのが特徴です。もちろん、展覧会に合わせた商品も展開。
新たな館内カフェでは「馬車道十番館」のケーキが味わえる!

馬車道十番館 横浜美術館 喫茶室

レトロなスタイルの「ショートケーキ(880円)」
蔵屋館長「無限の可能性を持つ子どもたちに“何か”に出会うチャンスを」

無限の可能性を持つ子どもたちに無料で「うっかり」作品に出会ってほしい、と蔵屋館長
「無限の可能性を持つ子どもたちは、何かに出会うチャンスがなかったゆえに、その才能が花開かないという人はたくさんいるのではないかと考えました。無料でうっかり見ちゃったら、こういう道もあるんだ、こういう風になってもいいんだと気付いて、未来への道が思わぬ方向に開けていくかもしれません。美術館というのはそういう場所でありたい。横浜美術館でそれを見える形にしたい。その1つが『じゆうエリア』です。あらゆる人を歓迎する横浜美術館へ、足を運ぼうと思っていただくきっかけとなればうれしいです」。

「おかえり、ヨコハマ」展示風景より。左:奈良美智《春少女》2012年 右:奈良美智《横浜の子どもたちへ》2001年(C)YoshitomoNara
「横浜美術館」情報
住所:横浜市西区みなとみらい3-4-1
TEL:045-221-0300
開館時間:10:00~18:00 ※入館は閉館30分前まで
休館日:木曜、年末年始 ※詳しくは公式Webサイトで確認を
公式Webサイト:https://yokohama.art.museum/
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